― 病院、放課後、温泉、マラソン。暮らしのそばで変わることを整理しました
6月定例会では、市長から提出された議案、市民の皆さまから提出された請願など34件が審議されました。議案は一部を除き、総務・文教生活・産業建設の3つの常任委員会に付託され、審査されています。このうち、暮らしのすぐそばで変わることを6つ選んで整理しました。「そういえば、あれはどうなったのだろう」と気になっていたことが、いくつか含まれているかもしれません。

1. 子どもの通院医療費に、自己負担が入ります
宝塚市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例が、賛成多数で可決されました。乳幼児等医療費助成事業について、通院助成の対象を高校生世代まで広げると同時に、通院1回あたりの自己負担を求める内容です。
変わり方は、年齢によって向きが違います。これまで無料だった1歳から中学3年生までは新たに負担が生じ、これまで3割負担だった高校生世代は助成の対象に入ります。0歳は引き続き負担なしです。
| 年齢区分 | 現行 | 改正後 |
|---|---|---|
| 0歳 | なし | なし |
| 1歳〜小学3年生 | なし | 1回200円 |
| 小学4年生〜中学3年生 | なし | 1回400円 |
| 高校1年生〜高校3年生 | 3割負担 | 1回400円 |
いずれも1医療機関等につき月2回までが自己負担の上限です。また、1歳から小学3年生までの200円は、低所得者を除く方が対象とされています。
委員会の審査では、「これまで無料だった医療費に新たな負担が生じるという印象が強く、小児医療の充実、予防、相談体制などがどのように良くなるかという説明が不足しているのではないか」との質疑がありました。市の答弁は「無料であったものに負担が生じることについて、市民に十分理解されているとは考えていない。実施段階においては、改めて丁寧に説明していく必要がある」というものです。
高校生世代への拡充については、「拡充する必要がないという意見もあったが、高校生世代は学費や交際費などにより家計負担が増える時期であり、医療費助成の拡充は子育て世帯にとって大きな支援になるとの意見があった」と説明されています。
【この議案は意見が分かれました】
賛成11・反対9・棄権3・欠席1で可決されました(議長は表決に加わりません)。
2. 放課後の育成会の育成料が、月8千円から1万円になります
宝塚市立地域児童育成会条例の一部を改正する条例が、修正のうえ賛成多数で可決されました。待機児童対策を含む地域児童育成会の持続可能で安定的な運営を目指し、育成料を引き上げるとともに、多子世帯や低所得者世帯に対する減免制度を拡充する内容です。
市が示した原案は月額1万2千円でしたが、議会に「激変緩和のため」の修正案が提出され、賛成多数で可決されました。延長利用の料金も原案より引き下げられています。
| 育成料(月額) | 現行 | 原案 | 修正案(可決) |
|---|---|---|---|
| 延長利用なし | 8,000円 | 12,000円 | 10,000円 |
| 1時間延長(18時まで) | 9,600円 | 14,000円 | 12,000円 |
| 1時間30分延長(18時30分まで) | 10,400円 | 15,000円 | 13,000円 |
| 2時間延長(19時まで) | 11,200円 | 16,000円 | 14,000円 |
引き上げの理由について、市は「入所に対する保護者ニーズの高まりや待機児童対策といった喫緊の課題を解消する必要性を踏まえ、今回が見直しを行うタイミングとなった」と答えています。育成料は平成24年から8千円に据え置かれてきました。
市民負担が大きい制度改正だという指摘に対しては、「低中所得世帯への影響を少しでも軽減するため、減免制度の対象範囲を拡充した」との答弁がありました。討論では、減免制度の拡充に加え、第3子以降の利用料が無料となることにも触れられています。
3. 宝塚ハーフマラソンは、開催のめどが立ちました
令和8年度一般会計補正予算(第1号)が全会一致で可決され、この中でハーフマラソン実施事業などが増額されました。
令和8年度の当初予算に、宝塚ハーフマラソンの予算は計上されていませんでした。運営等の見直しが必要とされていたためです。今回の補正で計上された経緯について、市は「持続可能な形にするため検討期間を必要としていた。実行委員会でも継続の声があり、関係者等との協議も実施した」と説明しています。
見直しの中身として挙げられたのは、参加料の値上げ、一部業務の民間委託、ボランティア配置の効率化、庁内体制の見直し、ふるさとまちづくり基金の活用です。これらを検討した結果、「開催のめどが立った」とされています。
4. 市立温泉利用施設が、再開に向けて動き出します
同じ補正予算で、債務負担行為に市立温泉利用施設の大規模改修負担金等が追加されました。
再開までの道のりは、市の答弁によれば次のとおりです。7月下旬ごろから公募を開始し、施設見学や質問等を事業者から受け付けます。12月にプレゼンテーションの審査を行い、優先交渉権者を決定。その後、取り決めを確認し合って基本協定書を交わし、賃貸借契約に関する協議を行います。令和9年4月の契約を予定し、令和9年度中のオープンを目標としています。
設備が壊れたときに誰が直すのかも、審査で確認されています。壁、柱、床など基礎的な部分は市の責任で修繕し、それ以外はボイラー、温泉配管、ポンプ、ろ過装置、熱交換施設、空調設備なども含めて民間の事業者に依頼するという整理です。
市に入るお金は、入湯税、温泉使用料、上下水道料金、賃料を合わせて年間約2700万円程度の見込み。今回の債務負担行為は1年当たり2600万円で、「おおむね均衡している。市としてこれ以上は出さない」という考え方で制度設計されたと説明されています。
5. 水道施設の管理を委託する費用が増えます
令和8年度宝塚市水道事業会計補正予算(第1号)が全会一致で可決されました。公共工事設計労務単価の改正の通知に基づき、すでに契約を締結している水道施設管理業務委託の債務負担行為額を691万5千円増額するものです。
審査では「土木に関する労務単価の上昇が4.5%なら計算上は400万円程度の増額になるはずで、約690万円の根拠は何か」という質疑が出ました。市の答弁は、上下水道局では受変電設備を兼ねている施設の点検が多いため、土木の労務単価に加えて建築保全業務の労務単価も適用し、委託業務全般の変更として取り扱ったため差が出た、というものです。
6. 議員の数が26人から25人になります
宝塚市議会議員定数条例の一部を改正する条例が、修正のうえ賛成多数で可決されました。議員定数を26人から25人に改め、次の一般選挙から適用されます。
もともと提出されていたのは2人削減する案で、これを1人削減に改める修正案が提出され、可決されました。委員間討議では「議員定数削減は民意の入り口を減らすことになるため責任ある判断が必要」「議会は二元代表制の一翼を担っており、合意形成を図ることが重要」という意見が交わされています。
定数を減らすことで多様な民意を反映する機能が低下しないかという質疑に対しては、「質を落とさないよう、それぞれの議員が今よりも頑張らないと現状を維持できない。議員一人一人が活動を充実させ、議会機能を維持するという覚悟でもある」との答えがありました。
あわせて、議会自身も学び直しています
令和8年6月29日、市議会は議員研修会を開催しました。講師は大正大学地域創生学部公共政策学科教授の江藤俊昭氏、テーマは「二元的代表制を踏まえたこれからの議会の役割」です。
研修の中で、議員にとって最も重要なのは議案審査であること、反対討論だけが行われ賛成討論がないまま「賛成多数で可決」となる審査は望ましい議論とは言えないことが示されました。今回の医療費助成と育成会の2件は、いずれも賛成討論と反対討論の両方が行われています。
医療費、放課後、温泉、マラソン、水道、議会の人数。今回決まったことは、どれも紙の上の話ではなく、皆さまの手元で金額や予定が変わる話です。
実際に負担が始まったとき、あるいは施設が再開したとき、暮らしの側から見て何が起きているのか。それは市役所や議会からは見えにくいところにあります。お気づきのことがありましたら、お聞かせいただけますと幸いです。